依存症と環境神学研究グループ


【研究内容】

現代日本社会における最大の課題は,「依存症社会」の末期症状を呈していることであり,また,それに伴う障害や問題が多数発生しており,社会全体が極めて危機的な状況に陥っていることである。「依存症」( Dependency )とは,元々,精神医学やカウンセリング分野の概念であり用語である。「アルコール依存症」は,比較的よく知られており,麻酔性・依存性のある薬物(化学物質)であるアルコールの入っているお酒を習慣的に大量に取り込み続けて陥る身体と精神の両方の病気である。「依存症人間」 とは,いわば,「依存症を持病として抱えている人間のことであり,ことに自覚症状の無い,自分が依存症なのに、依存症であることを認識していないか,または,認めようとしない人間」と,安田らは定義している。多くの依存症人間から形成され,「依存的人間関係」を人間関係の基調とする社会を「依存症社会」と呼ぶことにする。現代日本社会は,まさに,この依存症社会そのものになってしまっている。本研究グループの主たる目的は,この「依存症」及び「依存症社会」の構造と特質をキリスト教及び環境神学の観点から分析し,解決のための方法と手段を探ることにする。ことに,依存症からの回復のために安田・三井・田代等が実践しているキリスト教に基づく12ステップ方式による自助グーループの活動(Chrischan Living Group)を外部展開し,その有効性を検証し、普及をめざすとともにその学問的裏付けを強化する。

【2016年度研究テーマ】

2016年度の主な研究課題としては、下記のサブテーマを計画し研究を進めて行く予定である。
@ 依存症に関する総合的調査研究―人文社会科学的研究及びキリスト教との関係の調査研究
A 依存症社会に関する総合的調査研究―人文社会科学的研究・社会システム論的アプローチ及びキリスト教ことに環境神学との関係の調査研究
B 依存症と依存症社会に関するキリスト教との関係の基礎的調査研究
C 依存症からの回復のための「12ステップ方式自助グループ」(Chrischan Living Group.CLGと省略)の実践と実践的研究 D 不登校・引きこもり等の最近の大学生等に起こっている学生依存症問題に関する研究  これらの研究成果は、関東学院大学キリスト教と文化研究所の機関紙である所報「キリスト教と文化」等に主に投稿し掲載されて来た。

 

2016年度活動計画

1. 定例研究会:原則として2−3ヶ月に1回は開催する予定である。本年2016年度の第1回定例研究会は、平成28年7月30日(土)10時30分―12時30分に本研究所会議室で開催した。次回は、10月15日(土)開催予定である。 2. 公開シンポジウム開催予定:昨年2015年度は、平成28年3月19日(土)と遅くなってしまったので、今年度は、早めに開催する予定である。


 

メンバー

所員

中村由紀・中村 優

研究員

客員研究員

安田八十五、木村護郎クリストフ、田代泰成、佐々木宏人、三井純人

 

 

 

各年度の活動:

2016年度の活動

2014年度の活動

2013年度の活動

2012年度の活動

2011年度の活動

2010年度の活動

2009年度の活動

2008年度の活動

2007年度の活動